2017年1月12日

『29歳で2000万円貯めた独身女子がお金について語ってみた』 ITTIN (著) その2



p.50-51
「老後や貯金のために生きてるの?」
という、要は「若い時に貯金することが機会の損失になっている」ことを危惧する意見があります。「貯金」とは「機会損失」か?という疑問に対して、私は必ずしもそんなことはなかろうと考えています。
(中略)
貯金とは機会の損失ではなく、むしろ逆。人生の選択肢を広げる(機会を得る)手段であると考えています。
ここはちょっと違う気がして逆ではなくて両方、つまり貯金とは機会の損失であると同時に、機会の獲得でもあるんじゃないかと。若い時に稼いだけど支出をしなかったお金は、若い時の選択肢を狭めた分だけ将来の選択肢を広げていて、逆に若い時に多く使うタイプの人は将来の選択肢を犠牲にして現在の選択肢を広げている。このようなトレードオフの関係になっていると思います。たとえば20代で隠居した大原さんのように、将来重視型の人生設計とは対極的な選択をした人を思い浮かべると、トレードオフの関係がよく見えるかもしれません。

若い時にたくさん稼いで貯金することは、稼ぐために消費した時間や、使わなかったお金の分だけ若い時の機会損失になっているという指摘は、(もう若くない私にとっては残念な)事実でしょう。だからといって「老後や貯金のために生きてるの?」という疑問を、まだ余命の長い20代の人に投げかけるのも奇妙ですけどね。それは40代以上の人に投げかけるべき疑問ではないかと思います。

将来重視型の堅実な人生設計をしている人ほど、そして若い人ほど、今そこにある機会損失には気付きにくい、そんな傾向があるような気がしています。人生の残り時間が減ってくると嫌でも気付いてしまいますからね。

p.52
お金の目的は後から決めることもできるのです。今でなくとも、いずれ必要になる時が来るでしょう。
そうですね。
私が29歳のときも、何のために蓄財しているのかはまだ決めていませんでした。早期リタイアという目的を意識していたのは、現役最後の5年間ぐらいのものです。つまり35歳あたりまでは、何に使うかを決めないままとりあえず貯めていただけでした。そうやって漫然と積み上げてきた資産が、今こうしてリタイア生活のために有効に使われているわけです。結果論になってしまいますが、早期リタイアなんて眼中に無かった頃からお金を貯める習慣が身に付いてたのは良かったと思います。

(つづく)

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