2018年11月20日

株式と現金の長期リターンは両極端

ツイッターより。

現金の価値は1/20の間違いだと思われますが、このグラフ、ジェレミー・シーゲル氏の著書に載っている有名なやつなので、見たことがある人も多いでしょう。

ひときわ目を引くのは株式の長期リターンが群を抜いていること。他の資産クラスを全く寄せ付けません。

もちろんリターンの裏には必ずリスクがあり、株価が激しく変動を繰り返してきたことが、グラフのギザギザとしてはっきり現れています。しかし株式史上最大のネガティブイベント「大恐慌」(1930年付近)でさえ、200年というスケールで遠くから眺めると、無数にあるギザギザの一つにしか見えないのが凄いですね。

このグラフの右端に登場する2008年のリーマンショックのような百年に一度と言われる大暴落も含めて、一時的に暴落することがあっても必ず暴落前の株価を回復する「V字回復の法則」は200年以上健在で、今まで一つの例外も無いと言えそうです。

次に目を引くのが、株式と対照的に極めてローリスクな(グラフにキザギザがほとんど無い)USD現金の長期リターンが群を抜いて低いこと。

200年持ち続けた場合の実質リターンはマイナス95%。額面は1ドルのままでもその購買力は1/20になってしまったことを意味します。

200年間で1/20なら年平均1.5%の減価なので意外に大したことないようにも思えますが、グラフをよく見ると1940年付近までの140年間は全く減価してないんですね。金本位制がきちんと機能していた時代だからだと思います。

1971年のニクソンショックで金本位制が廃止されると、堰を切ったようにUSDの減価ペースが上がっている様子がはっきりと見て取れます。それまでは現物資産の裏付けがあったUSD紙幣が、その裏付けを完全に失って「仮想通貨」に成り下がった瞬間です。

藤巻氏が避難通貨として推奨するUSDでさえこの有様なのですから、異次元緩和で輪転機フル回転中のJPYの価値が長期的に安泰だとは全く思えないですね。今はまだ日常の決済に必要だから仕方なくJPY持ってますけど、将来それさえ不要になる時代が早く来ればいいなと思っています。

参考ツイート:

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