2020年6月10日

「お金が無ければ自給すればよい」という発想への違和感

ツイッターより。

お金=銀行屋の発行する紙切れ

この定義には概ね同意しますし、ただの交換媒体であるはずのお金を集めて溜め込むことの無意味さも分かりますよ。

ただ、その代わりに自給自足すればよいという発想が出てくるのがどうも解せません。論理的な繋がりを欠いているように思います。

人類が分業と交換によって享受してきた豊かさを投げ出して自給自足の方向へ回帰していけばいくほど、人は貧しくなってゆくのではないかと。自分で創造するとお金は要らないとしても、その代わりに労働力や時間が必要になりますからね。しかも、自分が必要な分だけ少量生産することの非効率、生産性の低さは半端ではありません。お金だけ節約できても、その代償として膨大な可処分時間を失うのは全く割に合わないのでは。

現代社会においてなぜ多くの人がお金で物やサービスを買うかと言えば、その方が得であることがほとんどだからです。自分が必要としている物やサービスを自分より効率よく生産、供給できる他人がどこかにいるからです。お金が無いからと言ってあれもこれも自分で作るよりも、人それぞれ比較優位なものに労働力を集中して生産物を交換し合った方が飛躍的に生産性が上がり、遥かに豊かな暮らしができると思います。

お金が実は紙切れに過ぎないとしても、生産物を交換するための媒体として一時的にお金を経由する事まで忌避する必要は無いのでは。

もちろん、紙切れ以外のお金がもっと広く使われるようになれば、それに越したことはありませんけどね。

参考ツイート:
参考記事:
ja.wikipedia.org

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