2010年11月23日

残りの人生で必要な金額

橘玲公式サイトにこのような記事がありました。

お金と幸せの法則を教えましょう〈週刊現代インタビュー〉 | 橘玲 公式サイト
日本人はいま、かつてなく大きな不安に怯えています。家族、会社、国家など、これまでは絶対的に信頼できた存在が大きく揺らぎ、「倒産やリストラで収入がいつ途切れるかわからない」「年金が崩壊したら老後はどうなるのか」……といった恐怖に誰もがさいなまれています。

ではこの不安を解消し、あなたが今後の人生で経済的な独立を手に入れるためには、どのくらいのお金が必要なのでしょうか。1億円? 5億円? 答えは一概には言えません。それは、あなたが求める生活によって異なってくるからです。
そうですね。それと年齢によっても。
家計簿で生活コストを把握して、残りの人生にかかる総コストをエクセルで計算すれば、おおまかな金額はわかると思います。

私は会社を辞めて独立する時、「いくらあれば公園のホームレスにならずにすむか」を真剣に考えました。答えは3000万円でした。ずいぶん少ないと思うでしょうが、日本を捨ててタイやフィリピンなどの東南アジアに移住すれば、これで一生それなりの暮らしができるとわかったからです(円高の今ならもっと少額ですむでしょう)。
3000万円が少ないかどうかは置いといて、このように移住も視野に入れておくことは、ある一つの国と運命を共にしないという意味で、今の時代に必要な考え方だと思います。そういう選択肢がない人は、将来の増税やインフレで人生のコストが予想以上に跳ね上がるリスクを抱えたまま、身動きできなくなるかもしれません。

かく言う私は、いざとなれば移住する覚悟はありますが、今ぐらいのコストで生活できるうちはできるだけ日本に留まりたいと考えています。既に家を所有してしまったというのもありますし、なんだかんだ言っても日本より快適に暮らせる国は、そうそうあるものじゃないでしょう。

これを知って、私は精神的に非常に楽になりました。3000万円という実現可能な目標を設定したことで、それを達成した後は、「好きなことだけやって生きていけばいい」と気楽に考えられるようになったからです。
私も早期リタイアを目標に会社員をやっていた頃は、同じような気持ちでした。特に、仕事がつまらないと感じている人にとって、目標が視界に入っていることの意味は大きいと思います。

好きなことを評価されれば、そのことがもっと好きになり、市場の評価が収入につながります。お金と仕事との幸福な関係は、こうしたサイクルの中でしか成立しないのだと思います。
橘氏にとって好きなことの一つが、本を書くことなのでしょう。好きでやっていることが評価されて収入にもつながっているわけですから、理想的な生き方に見えます。

生活の基本コストを下げれば、人生に余裕が生まれます。逆に生活コストが高いままだと、永遠に不安は解消されません。

日本人は世界中でもっとも要求水準の高い国民です。高級住宅地の一戸建てに暮らし、子どもは幼稚園から私立に通わせ、車はベンツかBMWで、年に一度はヨーロッパ旅行を……などと考えていては、1億円や2億円あっても不安なのは当然です。

べつに日本を脱出しなくても、マイカーをあきらめたり、マイホームを賃貸に切り替えたり、生活の基準を見直すだけで、人生をよりポジティブに考えられるようになります。将来への漠然とした不安が払拭されれば、おかしな投資に手を出すこともなくなるでしょう。私たちにとって、それがお金と幸福を両立させる最良の道ではないでしょうか。
本が売れるなどして収入が多くなるとコスト意識が麻痺してくる人が多いのですが、さすが橘氏は一味違います。

生活コストを下げれば人生に余裕が生まれるというのは、ほんとその通りだと思います。

橘玲公式サイトには他にも面白い記事が満載です。リンク集に追加しておきます。

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