橘玲氏の本を読んだのは久しぶりです。
本書はフィクションですが、戸籍制度についての記述は事実に基づいているそうです。本人の知らない間に外国人女性が妻として戸籍に追加されている事例について、なぜそんなことが起こるのかは概ね理解できました。
もし外国人やブローカーによる一方的な「戸籍乗っ取り」の手口が存在するなら他人事ではないなあ、と思いつつ読み進めていくと、本書に出てくる事例については全く「一方的」ではないことがわかりました。桂木憲一という妻子持ちの男には、叩けばホコリが出る過去があったのですから…。自業自得とはこの事です。
さらに自らの過去の過ちを反省するどころか、50過ぎて再びフィリピンで若い女に手を出して、500万円も貢ぐことになるという展開に。男が歳を取る最大のメリットは衝動的な性欲から解放されることなのに、この人は若かりし頃の失敗から何も学習せずに、いい歳こいて何を本能の命ずるままに行動してるのだろう? と思いました。
戸籍制度のバグを知って何かの役に立つ機会があるとは思えませんが、本能の命令を素直に聞いて生きる男の末路を知ることは、少しは人生の役に立つかもしれません。
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