2008年8月19日

『不況のメカニズム』



以前読んだこの本で絶賛されていた本です。ケインズの「一般理論」の何が正しく何が誤りであるかを解き明かしています。時間の都合で、最後のほうだけ読みました。

好況期には市場原理に基づく自己利益の追求が経済全体の効率を上げるのに対し、
非自発的失業のある不況期には、「合成の誤謬」が成立し、市場原理に基づく自己利益の追求だけでは、経済全体の効率はかえって下がる。このとき、市場制度がうまく働いて真の効率化に結びつくようにするには、まず失業を減らさなければならず、それにはコストがかかって無駄だと思えるような政策でもする必要がある。
とのことで、公共事業が大好きな日本の政治家が喜びそうな結論になっています。でも、失業で困っていない大多数の人はこんな政策を支持するわけないですね。
したがって、富裕層か貧困層かという特定集団への利益誘導型の政党ではなく、国民全体の経済価値を追求する真の意味での効率追求政党が必要なのである。
我々は囚人のジレンマと同じ状況に陥っているというわけです。このジレンマを解決する手段として、民主主義というシステムは役に立たないような気がしています。長引く不況が解消されるには、まだまだ長い時間がかかるのではないでしょうか。

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