新・高等遊民の備忘録　: 世論の力で民間企業を排除？

2019年10月25日

世論の力で民間企業を排除？

ツイッターより。

本来であればこうやって労働者に要らぬ負担を強いる企業を、世論の力で排除できる社会にしなければならない。
— 川越街道 (@KaidohKawagoe) October 9, 2019

これは酷い。

気に入らない民間企業を、世論の力、つまり政治権力を利用して強制排除できるべきであると主張しています。

そもそも企業は労働者に何も強いていません。「労働者に要らぬ負担を強いる企業」とはとんでもない言いがかりです。双方合意の雇用契約を労働者が履行しているだけのことを、よくもここまで捻じ曲がった解釈ができるものです。挨拶するのが嫌なら辞めればいいんだし、最初から契約しない自由もあります。こんな言いがかりが通用すると言うのなら、「企業に時給X円の負担を強いる労働者」という言いがかりも通用してしまいますが？？

最低賃金で働いてるんだからサービスも最低でいい。
（中略）
最低賃金で最高のサービスとかいう企業の甘えを許してはいけません

自分は労働者としてそうするし、消費者としてもそのような労働者がいるコンビニを選好する、という話でしたら大いに結構なことです。どんどんやればいいのでは？

でも残念ながら、そのような発想をする自由主義者が日本では絶滅危惧種であることは、以前の記事でも述べた通りです。この人はそういう意味で言っているのではなく、社会全体で足並み揃えて低賃金サービスの質を劣化させるべき！と主張していると思われます。

こういう社会主義思想に染まっている人は必ずと言っていいほど、自分とは異なる選好をする他人の邪魔をしてくるからたちが悪いのです。個人的な選好の問題を社会全体に拡張し、無関係の他人を自分の選好の中に巻き込もうとするのはやめていただきたいと思います。

参考ツイート：

接客業務は雇用契約書に書いてあるはずだし、働く側もそれがわかっていて応募して採用されて契約書に同意している。つまりコンビニ店員の「いらっしゃいませ」は契約した業務遂行の一つで、それ込みの時給だからな。嫌なら辞めればいい。雇う側に辞めるのを抑止する力はない。
— カラスマ%ナチュラル・ボーン・うっかり (@KARASUMA13) October 11, 2019

多分自分がコンビニバイトでこれ面と向かって言われたら「いや、そんな憐れむならチップ込みで倍払って下さってもいいんすよ」って答えると思う https://t.co/MlFtwxWzLt
— 有芝まはる殿下。 / 𝕴.𝕳. 𝕸𝖆𝖍𝖆𝖑 𝕬𝖑𝖞𝖘𝖍𝖊𝖇𝖆 (@Mahal) October 10, 2019

>RT

「最低賃金で最高のサービスとかいう企業の甘えを許してはいけません」

ファシズムで強制された賃金が発生すると、こんなイモい考えが支配するが、

自由な相互のやり貰いや信頼関係で個々で決めると、

どこからでもスタート、再スタートできるし、努力が報われやすくなる。

間抜けファシジム
— Total Chaos (@riotskins) October 10, 2019