私は「KY」などという言葉が流行語になってしまう風潮を好ましく思わない一人ですので、タイトルに惹かれて借りてきたわけですが・・・
空気を読む読まないという話は、料理にたとえれば前菜扱いでしかなく、かなり期待外れでした。
本書のメインディッシュは、コテコテの努力主義者の著者が暑く語る仕事観と人生観であり、努力主義を好まない私にはとても食べられたものではありませんでした。(苦笑)
たとえば、次のような記述が随所に見られます。
努力を続けている限りは可能性はなくならないし、「完走」といえるほど努力を持続できたなら、結果を問わない達成感が生まれてくることは保証できる。
(中略)
だからこそ、「空気を読む」といったつまらない行為は放棄して、がむしゃらな努力をしてほしいと願うわけである。
年齢や境遇などには関係なく、誰もに夢や目標を持って、それに向かってたゆまぬ努力を続けてほしいということである。
(中略)
お金を貯める余裕や暇があるならば、勉強しろ、チャレンジを続けろ、ということである。
チャレンジをしないで生きているということは、私に言わせれば死んでいるのとも変わらないことである。もう、これでもかというぐらい煽ってます。1ページの中に出てくる「努力」や「チャレンジ」といったNGワード(笑)の密度が非常に高い。
(中略)
いちど力尽きて倒れるぐらいまでチャレンジしてみてこそ、自分の限界というものが見えてくる。そのときに初めて、自分の持つ可能性というものが見えてくるのだ。
本書は成功者にありがちな「自身の成功体験の一般化」の典型と見ました。
一つの成功物語として楽しむ分には問題ありませんが、本書に書いてあることを信じて真似する人が出てこないことを祈るばかりです。
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