2009年8月25日

『非属の才能』



漫画家の著者が、取材で何百人もの「才能のカタマリ」のような人たちに会って話を聞いた経験から、
「才能というものは ”どこにも属せない感覚” のなかにこそある」
と説く本です。
 学校は、人生でもっとも同調圧力が強い閉塞空間だろう。
「これが正解」「これがふつう」「これがあたりまえ」「これが常識」という同調を、教師は毎日これでもかというほど生徒に押しつけてくる。
やっかいなのは、それが生徒のためだと教師たちが本気で信じ込んでいることだ。完全に協調と同調を混同してしまっている。
同感です。
このような行動の根源にあるのは、中島義道氏が『人生に生きる価値はない』の中で「みんな一緒主義」と呼んでいるものと同じだと思いますね。

やや話がそれますが、ブランドの価値については次のような意見を述べています。
 とはいえ、バッグ一つに100万円は高すぎる。
バーキンでなくても、たかが財布やたかが時計に大金を払うのは、やはり少しどこか「ズレている」と言わざるを得ない。
━━みんなが認めるタグには価値がある。
こうなると価値の判断は「自分」ではなく、常に「みんな」だ。
時計ならロレックス、財布はヴィトン、車ならベンツかBMW、住むなら世田谷区か港区などと言う人間の多くは、ピンからキリまですべてを吟味してそう結論づけているわけではなく、みんなが称賛するブランドを選んでいるだけだったりする。
ブランドの価値が理解できない人間として、完全に共感しました。
 特にテレビは一切、見る必要はない。
同意します。しかし、
もちろん、インターネットも絶対につないではいけない。
携帯電話は一刻も早く解約しなければならない(もしくは電源を切る必要がある)。
これはちょっと・・・。
「誰ともわかり合えない」という危機感を持ち、小さな群れにさえも属さないためだそうですが、そこまで自分を追い込まないと芽が出ない才能なら自分は要らないかな、と思います。

1 件のコメント:

  1. > そこまで自分を追い込まないと芽が出ない才能なら自分は要らないかな
    そのつもり無いでしょうけど、一刀両断て感じでニヤと。
    いつも読んでますが、ブレないすね。

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