2008年11月11日

動かざること山の如し

最近の個人投資家へのアンケートでこんな結果が出たそうです。
Garbagenews.com: 下落相場、「長期だから気にしない!」「損切りできない」が半分ずつ

元データはこちら

この10月のような極端な弱気相場においても、78%の投資家が特に投資対象を変更しておらず、円預金への逃避を実行した(する)投資家は全体の10%程度に留まっているということです。もう少し拮抗しているかと思っていたのですが、結構はっきりした差が出ました。

私が何もしない理由も「長期だから気にしない!」なので、この調査では最も多数派に属することになります。どちらかといえば多数派の逆を行くほうが好きな私としては、やや複雑な心境です・・・。

ところで、何もしない理由の第2位「含み損を抱えて売りたくても売却できない」というのは、実は合理的ではないと思うのは私だけでしょうか? なぜなら、同じ株価でもたまたま含み損を抱えているときは売却しないけれど、もし含み益が出ていれば売却するという、まったく正反対の二つの意思を包含しているからです。これは行動経済学の「プロスペクト理論」で説明されている、人間の非合理的な行動のひとつだと思います。

だからといって、いわゆる機械的な「損切り」が合理的だと言うつもりは全くありません。むしろその逆だと思っています。

売却の意思決定における合理的な判断は、次のような二択になると考えます。

・アセットアロケーションをいじってリスク資産の割合を減らすことにした場合、そのために必要な範囲内で売却する。その際に確定するのが損失なのか利益なのかは関係ない(税コストを考慮すれば損失のほうが望ましいという事は否定しませんが)。

・アセットアロケーションをいじらない場合は、売却しない。

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