2008年11月13日

『夢をかなえるゾウ』



勝間さんの本と同様、こちらも大変な人気本のため何ヶ月も待たされた後、忘れた頃に回ってきました。

ストーリー仕立てで面白おかしく読める自己啓発本です。
著者自身が過去の成功本に書いてある成功法則の寄せ集めに過ぎないことを認めていますので、そういう類の本をよく読んでいる人には、本の厚さに見合わない内容の薄さが気になるのではないでしょうか。そういうのに疎い私にとっては概ね新鮮な内容でしたが。

私が自己啓発本にあまり興味がないのは、「成功者が語る成功法則を知り、それを真似れば成功できるか?」ということ、つまり成功法則の再現性について懐疑的だからです。本書にも、再現性について誤解させるような記述があります。
 人間の長い歴史において、どうすれば人が成功するか、そのことはもう解明されているのです。
既知なのは「成功した人がどうしてきたか」という個々の事実の積み重ねに過ぎません。そこから帰納的に導けるのは、せいぜい成功のための必要条件であって、十分条件ではありません。つまり、「こういうことを実行すれば誰でも成功する」という再現性のある法則が解明されているとは言えないのです。


ゾウの神様「ガネーシャ」が話す関西弁が完璧である点は高く評価したいと思います。文字を読むだけでも、関西弁のイントネーションで喋りまくるガネーシャの声が聞こえてくるようでした。著者は愛知県出身なのでネイティブではないはずなのに、このクオリティは見事です。

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