2020年5月5日

「日本は終わる」の意味

ツイッターより。

財政破綻の話になると「日本は終わる」みたいなことを言う人が跡を絶ちませんが、その文脈における「日本」とは何を指しているのか曖昧すぎませんか。それが政府だけを指しているのか、国民を含む全部を指しているのかをはっきり区別して発言しないと、何を言っているのかまるでわからなくなります。

因みにこの文脈での選択肢とは、
(1)消費税大増税による財政再建
(2)国債デフォルト
(3)ハイパーインフレ
の3つを指しているようです。

(1)では政府は終わりませんが、政府関係者を除く国民は出口の見えない大増税地獄の中で苦しみ続けることになります。「いえ、日本は終わりません。終わるのは日本国民だけです。」という冗談みたいな話になりそうです。それが分からないほど日本国民はバカじゃないので、消費税をたとえば40%にするのは政治的に実現困難だろうという藤巻氏の見解に同意します。

(2)を避けるために全力で財政ファイナンスを実行中の日銀が、今更これを中止する可能性はゼロに近いと思います。

(3)消去法でここに行き着く可能性が最も高いと思われます。「ハイパー」の定義に拘っている人がいますが、そんなのは些末な事です。戦後の大インフレは定義上ハイパーインフレではありませんけど、4年で物価が70倍になりました。今の日本で物価が70倍になれば自分の生活はどうなるのか、想像してみたら良いと思います。

藤巻氏からの模範解答。
この通り、藤巻氏は日銀と日本円が終わると言っているだけで、日本政府でさえ終わるとは言ってないんですよ。それなのに「日本は終わる」などと、曖昧で大きすぎる主語で物事を捉える人が毎回出てくるのだから不思議です。

何だか、1945年に「戦争に負けたら日本は終わる」と思い込んでいた日本国民のメンタリティとそっくりな気がします。実際に敗戦で終わったのは大日本帝国政府だけで、日本国民は大インフレに苦しみながらも焼け野原からの大復興を果たしました。

それと同様に、日銀や日本円が終わると言われた程度で怯える必要は微塵もありません。新しい円と共に新しい日本が始まるのだと思えばむしろ希望が持てます。

日本のすべてが終わるのではないかという恐怖に駆られて「終戦」を必死で回避しようとしても、その先に希望など無いと思います。現実を受け入れてさっさと準備しましょう。



参考ツイート:

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