前回の続きです。
3:32~ 「債券と株式は特徴が真逆なので、相互に補い合う関係になる」
債券を組み入れるとリターンを犠牲にしてリスクを下げるのは事実だとしても、「特徴が真逆」は言い過ぎかと。最も相関係数が低い組み合わせ(日本株式と日本債券)でも-0.185ですから、むしろ無相関に近いのであって、リターンを「相互に補い合う」には程遠いと思います。
参考記事:
6:52~ 「この著者はめちゃくちゃ心配症なんですね」
8:20~ 「現金クッションは年間生活費の5年分です」
債券を4割組み入れているだけでも既に相当リスクを抑えたポートフォリオなのに、それとは別に現金が5年分だそうです。年間生活費が資産総額の4%なのだから、20%も現金持ってることになります。私の場合、現在は債券ゼロ、現金もせいぜい1年分しか持たずに平気で暮らしているので、確かにこの人「めちゃくちゃ心配症」に見えますね。
①投資金、②現金クッション、③年間生活費の3つのバケツを用意して、①の元本には手を付けず、①の利益だけを年始に③に移して生活費にあてるそうですが、このようにお金に色を付けて使い分ける行為は心の会計(メンタル・アカウンティング)の典型であり、合理性に欠けると思います。
10年以上前から何度も書いているように、投資の利益だけで生活費を賄うという縛りはそもそも不要です。利益の有無に関わらず、生活に必要な分だけ資産をその都度売却して賄えばよいだけです。そのための金融資産なのだから躊躇う理由は何もありません。
9:56~ 「さあ、どうですかこのシンプルなお話」
いや、私から見ると全然シンプルな方法ではなかったです。本来はもっとシンプルに考えれば済むはずのことを、心配症が災いしてどんどん複雑化&不合理化してしまった事例に見えます。
(つづく?)
参考ツイート:
同じく。資産をそのように区別する習慣は無いですね。お金に色を付けない。
— 遊民 (@yumin4) April 24, 2020
"私にとっては「生活防衛資金」は過去も現在も未来も必要ありません。"
「生活防衛資金」に関する私の考え方 | 【L】米国株投資実践日記https://t.co/4NUmu4SXHY
そういや、「生活防衛資金」って割とクソパワーワードだと思ってるんだけど、誰が言い出したんだろ?💩
— えまっち💰爆益ポイ活運営 (@ematty_investor) June 20, 202
元ネタ調べようとしたけど、わからなんだ😑💭
生活困ったら株や投信売って数日で現金作れるやないか。何のための金融資産や🙄
消費は資産の海から必要な分を取り出すことなので、それはどこからの収入なのかなんていうことはできない。
— セミリタイアラー礼二郎 (@gaban10) October 28, 2020
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