2020年11月5日

リスクを取らないリスク

 AllAboutマネーより。

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、ご主人が他界され、遺族年金等の受給とパート収入で生計を立てている50代の女性。
allabout.co.jp
■相談者
カネクイムシさん(仮名)
女性/アルバイト/50歳
大阪府/持ち家・マンション
(中略)
60歳の時点で1億486万円となり、これがカネクイムシさんの老後資金ということになります。
 
ここで確実に言えることは、老後も含めて、今後資金的に不安になる必要はないということです。したがって、現在のまま生活されても何の心配も要りません。

相談者の現時点の資産は6980万円の普通預金のみ。現在のまま生活するとさらに貯蓄が増えて10年後には1億円を突破するらしいです。

安泰なように見えても、1億円をすべて銀行預金のまま持っているのは、凄まじいリスクの集中だと私の目には映ります。「何の心配も要りません」というFPさんの回答に大きな疑問を感じます。いやいや、大きな心配事が一つあるのでは…。

投資ですが、ご存知のようにリスクをともないます。しかし、カネクイムシさんはリスクを取ってまで増やす必要がありません。資金が潤沢にあるからです。したがって、定期預金で十分。あるいは個人向け国債を買ってもいいでしょう。

定期預金や個人向け国債のみのポートフォリオには天敵がいます。それはインフレです。

投資を一切しないことによって価格変動リスクを完全に避けられる一方、その代償としてインフレリスクを丸被りすることになります。このトレードオフについてFPさんが一切触れないのは解せません。

「1億円の定期預金」を「現在価値で1億円分の購買力をJPYという極東の法定通貨にフルベットしている状態」と表現すると、その怖さが少しは伝わるでしょうか。10年後の1億円に現在の100万円の購買力しかなかったとしても、法定通貨の歴史を振り返れば特に珍しくもありません。通常のインフレでももちろん購買力は漸減していきますが、ひとたび戦後のような大インフレがやってくると、相談者の老後は大惨事になるでしょう。

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