その5の続きです。
p.104
結局人間にとって一番大事なのは「孤立しないこと」なのだと思う。そのために家族という概念が有用なら家族という概念を使えばいいし、それが他のもので代替できるなら他のシステムでもいい。その1で書いたことの繰り返しになりますが、「孤立しないこと」が大事かどうかは人によります。「人間にとって」みたいに言われると自分が人間でない気がしてきます(笑)。
p.105
家族でも家族以外でもなんでも、孤独にならないためにありとあらゆるツールを利用して生きていけばいいんじゃないかと思う。このあたりに書いてあることを読んでいると、本書全体を通じてphaさんが繰り返し「孤独にならない」ことを強調するのは、寂しがり屋だから人と繋がっている方が幸福を感じるとか、そういう性格的な嗜好を満たすと言うよりも、人的なセーフティーネット構築という実利面の重要性を説いている、そちらの成分の方が多めなのかもしれないですね。
p.109
普段の生活の中で「お金があればもっと楽なのになー」という場面は結構あるし、お金があれば人生の大体の問題は解決する。お金は万能で素晴らしいツールだ。そう、その通りです。
ならば、生きていくために利用する「ありとあらゆるツール」の中に、当然お金も含まれていいことになります。万能で素晴らしいツールなんですから、お金があるなら利用しない手はありません。
そうすると結局、孤立していても生きていけるだけの十分なお金さえあれば、人的なセーフティーネットは特に必要ないってことにもなります。人との繋がりを生存のためのツールとして見る必要が無くなった時に初めて、人は人と繋がることが本当に好きかどうかわかるのではないでしょうか。
(つづく)
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