2015年11月8日

『持たない幸福論 働きたくない、家族を作らない、お金に縛られない』 pha(著) その8



その7の続きです。

p.118
 なんかそんな風に、お金をかけなくても日常生活の中でやりたいことや面白いことはたくさんあるし、どっちかというとお金よりも時間のほうがやりたいことを全部やるには足りない。だから仕事とかしている暇はない、というのが僕の実感だ。
同感。
過去にも述べたように、人生の時間という希少資源は金融資産とは違って、現在の正確な残高がわからない上に、毎年マイナスリターンになることが確定している特殊な資産なのです。しかも、年齢を重ねるごとにその減少率が確実に大きくなっていく恐怖…。それに比べたら毎年貯金が減っていく恐怖なんて屁みたいなもんです。

p.119
 お金をかけずに生活を楽しむコツというのは一度身に付ければ一生残る資産だ。年をとってからとかお金がギリギリになってから新しいことを身に付けるのは結構しんどいし、人生のうちで早めに身に付けておくことを全ての人に勧めたい。
同意。
変な言い方になりますが、「余裕のある貧乏生活」を一度経験しておくといいですね。これ以下は耐えられないという生活レベルの下限は人によってかなり幅があるので、予めそれを把握しておくことは早期リタイアを計画する上でも重要な作業です。

p.119-120
 お金がなくても楽しく暮らすための心がけとして一番大事なのは、「他人と自分を比べない」ということじゃないかと思う。そして他人と自分を比べなくても平気になるためには、「自分の価値基準をはっきり持つ」ということが必要だ。
同意。
為末大さんが書いていた「幸福の基準を内に持つ」という話とほぼ同じですね。

p.121-122
 ブログを書いていると不特定多数の人が読みにくるので、僕のブログにもときどきよく知らない人(大体ちゃんと文章を読んでいない)が「あなたの考えは間違っています」とか「もっと働いてください」とかコメントをしてくるんだけど、そういうのは全部「あー、あなたの宗教ではそう考えるんですね、僕は違うからよく分かんないけど」って思ってスルーしている。
phaさんクラスの有名人のブログで、いまだにコメント欄が完全オープンになっているケースは珍しいですが、これだけのスルースキルがあればこそできることだと思います。凡人は真似しないほうがいいかも。

p.123
 株とかFXとかは損することも儲かることもあるだろうけど、たとえ儲かってもお金の使い道がないのにさらにお金を増やしても仕方がない気がするし、ゲーム性という娯楽を求めて株やFXをやるんだったら、テレビゲームでもしてたほうが安くて完成度が高くて楽しいんじゃないだろうか。
同感。
資産運用を趣味や娯楽にしてしまうと、合理性よりも楽しいかどうかという感情が優先するのでおかしなことになりがちです。「趣味と実益を兼ねる」のは簡単ではありません。

どちらかと言えば「好きなことは仕事にするな」の法則の方が有効で、趣味と実益は完全に切り離して、趣味はお金を払って楽しむものだと考えるほうが良いと思います。

(つづく?)

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