今すぐに会社を辞めて、一生のんびりと暮らしたい。だが完全にリタイアする金はない。そんな人が選ぶのが、物価の安い東南アジアでの暮らしだ。
しかしこの記事では失敗例を針小棒大に一般化し、凡人がリタイアを志向すること自体が間違っているとでも言いたげな論調に終始しているので、大きな違和感があります。
人々がアーリーリタイア組を羨ましいと思っても、自分がそれを実行できないのは、「リタイアする金がない」ということに尽きる。そう、これは正しい。
そこで思考停止せずに、「リタイアする金がある」と言える状態になるためにはどうすればいいのか、前向きに考えればいいのです。
いくらあればアーリーリタイアできるのかは人によって違う。自分が今何歳なのか、家族がいるのか、リタイア後にどんな生活をしたいのかで、まったく違ってくる。これも正しい。
人それぞれに異なるであろう必要資産額を他人と比較しあうのは無意味です。関連記事:
読者の方から次のような質問のメールをいただきました。 遊民さんは、何歳で、幾らの資産を持って早期リタイアを成し遂げたのですか?また月々の生活費の内訳や一日のタイムスケジュール等、可能でしたら今後の参考にしたいと思いますので、ご教授の程よろしくお願いします。 おそらく他の読者の方も...
しかしその直後に、
ただ年間300万円程度の生活を延々と続けるのであれば、1億円程度あれば何歳でアーリーリタイアしても問題ないと一般的には言える。結局300万円、1億円といった絶対額を持ち出してきて「問題ないと一般的には言える」と書いてあって、なんでやねんとツッコミを入れるしかありません。
「仕事もしないでのんびり暮らす」ことの、本当の怖さ「資金が足りないアーリーリタイア」ってしれっと書いてますが、前述の「リタイアする金がない」(本来はリタイアできないはずの)人がリタイアしている事例がここで唐突に登場します。リタイアする前から資金が足りないことがわかっているのなら破綻は必至であって、「精神的に」ではなく「物質的に」追い込まれてますよ既に。
東南アジアでは、1000万円や2000万円程度の貯えでアーリーリタイアする人たちも多い。タイでもフィリピンでも、そうした人たちが大勢いる。しかし、ほとんどが10年どころかほんの数年ももたないことがよく知られている。
アーリーリタイアは表面的には幸せに見えるのだが、資金が足りないアーリーリタイアの場合、精神的にどんどん追い込まれていくのである。特に海外アーリーリタイア組はそうだ。
彼らの失敗の原因は海外のせいでもなければメンタルの問題でもなく、ましてや「仕事もしないでのんびり暮らすことの本当の怖さ」でもなんでもありません。ただ「リタイアする金がない」ことに尽きます。
すべてのアーリーリタイア組に言えるのは、貯金を取り崩して生きることに対する底なしの不安感や焦燥感である。この文脈でこれを書くってことは、「貯金を取り崩して生きる」=「資金が足りないアーリーリタイア」みたいな決めつけ、先入観があるように見えるのですが…。それとこれとは別です。
計算した結果資金が足りているなら「物質的」には問題ありません。それでも貯金を取り崩して生きていくことに不安が付き纏う場合に初めて「精神的」な問題へと切り分けられます。
ここでどうしてもメンタル面を克服できない人は不労所得とやらの獲得に精を出すことになるわけですが、私の場合は不安耐性が高いせいか、「不労所得?なにそれおいしいの?」状態で何の問題も無くリタイア生活を送っております。関連記事:
世の中には「不労所得でリタイアしよう!」みたいな怪しい話がそこら中に転がっていて、リタイアするためには労働所得の代わりに「不労所得」というものを手に入れることが必須であるかのように思われているかもしれません。 しかし、リタイア後の生活費をすべて不労所得で賄う必要はありません。 資...
長くなってきたので続きは次回。
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