2009年2月24日

中心に置くべきは資産か?収入か?

再びうさみみさんのブログからネタを拝借します。
半年以上前の記事になりますが、最近の記事からリンクされていた「中心に置くべきは資産か?収入か?(その2)」という記事を読んで考えたことを書いてみます。

>中心に置くべき事は「収入」であり、「資産」ではないということになりませんか?
これは別記事のコメント欄に寄せられた意見のようなのですが、正直なぜそういう結論になるのか私には理解できませんでした。

うさみみは最初に、仕事の収入がなければ、全てが始まらないという点で、「最大のポートフォーリオは仕事だ」という視点を一部の個人投資家は軽視しているのではという危惧はあります‥‥という風に考えてしまいました。
確かに資産を形成するにはまず収入がなければならないという意味では、収入を得る手段としての労働(仕事)を重視すべき時期もあると思います。

ただ、それが「最大のポートフォリオ」と言われると、どうかなと思うところがあります。

まず、
昨日の記事 で紹介した『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』では、安定した給与収入を生み出す自分自身という人的資本を、1億円程度の現在価値をもつ「サラリーマン債券」とみなす考え方が出てきます。 確かに面白い考え方だとは思いますが、一晩考えた結果、私はこれは誤りであるとの結論に至りま...
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で述べたように、労働収入を得るには自分自身が持つ有限なリソースである労働力と時間を切り売りすることになります。人生観や年齢によっては、労働から得られる効用と比較して失うものが多すぎると思うこともあるでしょう。

また、長い人生の中で労働による収入が得られる時期というのは意外に短いものです。多くの人が60歳以降の人生を、労働収入がない状態で生きていくことになります。一生を通じて持ち続けることのできる最大のポートフォリオは、やはり金融資産をおいて他にはないのではないかと思います。

将来、仕事収入に対する依存度を減らしていく、もしくはなくすことができれば、人生の選択肢は格段に増えてくると思います。
まさにその通りですね。
普通のサラリーマンなら、60歳までに労働収入への依存度をゼロにすることが求められているわけですから、早期リタイアを考えていなくても資産形成、資産運用は決して他人事とは言えません。そういう意味では、「早期リタイア」とは言っても、必要な準備は定年退職に備えることと本質的には変わらないような気がしています。

>中心に置くべき事は「収入」であり、「資産」ではないということになりませんか?

については、必要とする収入が3つの要素どれからか入ってくればいいことになるので、中心に置くことは「収入」であることが言えると思います。

仕事収入でまかなおうと、金利収入でまかなおうと、投資収益でまかなおうと、キャッシュフローを持つことに意味があるということです。
ここで最初の疑問に戻りますが、なぜ「収入」が中心である必要があるのかなと。
「資産」が中心でもべつに構わないと思うのですが・・・。
極端な話、一生に必要な総コストを収入だけで賄えるなら資産は不要だし、資産だけで賄えるなら収入は不要です。なので、どちらかが中心であるべきという結論にはならないと思います。

本当の意味で「収入」や「キャッシュフロー」がないと生きていけないのは、金融資産を持たない(持つ予定がない)人だけでしょう。それなりの金融資産を持っている(持つ予定の)人が、あくまでも「キャッシュフロー」にこだわる姿は、私には奇異に見えて仕方ありません。

人生何が起こるか分からないし、最悪の場合、資産を削って生活していけばいいです。
資産を削って生活するのは「最悪」ではなく、収入にこだわるよりもむしろ「最善」に近い方法であるというのが私の考えです。

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