2018年9月5日

日本の病院にできる長蛇の列は社会主義の象徴

ツイッターでよく燃えている現代ビジネスの記事より。
週刊現代8月11日号の連載「それがどうした」で、伊集院静氏はこう綴っている。 〈小 - Yahoo!ニュース(現代ビジネス)
headlines.yahoo.co.jp
予約しても1~2時間待たされることはザラにある。

やっと診察室に辿り着いたと思ったら、わずか2~3分で診察は終了。会計でまた長時間待たされる……。そんな状況に多くの患者はイライラしている。

だが、少しでも文句を言おうものなら「モンスター患者」扱いを受け、まともな診療すら受けられない。およそ世間一般の常識とはかけ離れた価値観が支配する空間――それが病院なのだ。
そう、世間一般のビジネスが資本主義の常識で動いているのに対して、病院を支配しているのは社会主義の常識ですからね。それはもう異次元空間に迷い込んだように感じるのが当たり前ではないかと。

そういう当然の因果関係を正しく理解していないから、個々の病院や医師、看護師らを責めるような記事を書いてしまうのでしょう。病院側も患者と同じく、国民皆保険制度に巻き込まれてしまった被害者だとは考えられないんですかね。サービスの質を高めてもっと高い代金を得ようと思っても、政府の規制によってそれができないのですから。

ツイッターの反応を見ると99%は伊集院氏への批判コメントですが、批判の内容を見ると上記のような視点のものは非常に少なく、的外れなものがほとんどです。特に「気軽に医者にかかれるのは国民皆保険制度のお陰なのにお前という奴は~」的な論調のものも多くてうんざりします。いやいや、その制度こそが問題の原因そのものですから。

ファミレスの子連れクレーマーは賛否両論だったのに対し、おっさんクレーマーだと全く賛同が得られないというのも興味深い現象です。しかもこの人の場合は院長を呼びつけて詰問したわけでもなく、病院での嫌な体験をあとから記事にしただけなので、そもそもクレーマーですらないんですけどね…。

参考記事:
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