『エコロジストのための経済学』がわかりやすくて面白かったので、同じ著者のこの本を借りて読んでみましたが、数学が苦手でない(むしろ好きな)はずの私でも、内容をきちんと理解することができない部分がたくさんありました。『エコロジストのための経済学』とは違って抽象的で難解な本です。数学の世界の奥深さ、数学者たちの卓越した頭脳に改めて感心しました。
頭が混乱しながらも本書から学んだことは、かの有名なケインズ経済学が、数理的・論理的に隙だらけの不完全な理論であることと、小野善康氏という人が『
不況のメカニズム―ケインズ「一般理論」から新たな「不況動学」へ (中公新書 1893)』という本の中でそれをきっちり論証していることです。
公務員試験にも出るケインズ経済学は、「穴を掘ってまた埋めるような公共事業でも、失業を放置して失業手当を払うよりいい」という納得しがたい結論を正当化するものですが、その理論の正当性は今や完全に否定されたとのことです。
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