データを分析すれば、株式のインフレヘッジ効果がわかるだろうか。図11-2は1871年から2001年の間に株式、債券、短期国債を1年間保有した場合と、30年間保有した場合に得られる年率の複利利回りを示したものである。
数値を見ると、株式、債券、短期国債のいずれも短期ではインフレヘッジ効果が薄いことがわかる。これらの金融商品の短期の実質利回りが最も高いのはインフレ率が最も低い時であり、物価が上昇するにつれて利回りは低下する。しかし、株式の利回りを長期で見ると、実質的にはインフレの影響を受けていないことがわかる。保有期間によってリスクが変動するのと同様に、インフレヘッジ効果についても、保有期間というファクターにかなり影響を受けます。
その結果、長期運用におけるインフレ抵抗力は、株式が群を抜いて高いという結論になります。なぜそうなるのかは、昨日の記事で引用した
「株式は、物価変動で投資家が被るロスを埋め合わせることができる実物資産の最たるものである。」
ということを考えれば説明がつくと思います。
(次回へ続く)
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