ビジネス書に書かれている企業の成功法則が様々な「妄想」による誤りであることを指摘する本です。
最も顕著な妄想が「ハロー効果」と呼ばれるものです。
妄想1━ハロー効果このハロー効果の影響により、分析のために収集したデータの多くが既に歪んでしまっているということです。
ハロー効果とは、企業の全体的な業績を見て、それをもとにその企業の文化やリーダーシップや価値観などを評価する傾向のことである。一般に企業パフォーマンスを決定づける要因だといわれている多くの事柄は、たんに業績から跡づけた理由にすぎない。
ハロー効果を含めて9種類の妄想に囚われがちであることを詳しく指摘した後、次のように述べています。
本書でいちばん伝えたかったのは、ビジネスについての私たちの考え方が多くの妄想でかたちづくられているということである。妄想に囚われずに、ほんの少しだけ批判的にビジネス書を読んでほしいというのが企業マネージャーたちへの私の願いだ。夢を抱き、希望を膨らませるのもいいが、少しだけ現実的な目で見直してほしい。これはビジネスマンへのメッセージですが、投資家にとっても役立つ教訓が多く含まれている本だと思います。
たとえばインテルのような成功した企業でも、過去の意思決定は何らかの成功法則に基づくものではなく、ギャンブルの連続だったという事実を知って、個々の企業の将来の業績がどれほど不確かで予測できないものであるかをあらためて認識しました。
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