多くの投資家は、キャピタルゲインの税制上の利点は税率が低いことだと思っている。アメリカの税制では、インカムゲインへの税率が28%~40%なのに対して、キャピタルゲインへの税率が20%であることを指しています。日本では両者の税率は同じなので、この利点はありません。
キャピタルゲインにかかる税金は、収益が累積する過程においてではなく、資産を売却したときに初めて支払う。税金の支払い時期を繰り延べられるため、税引後ベースの利回りを確実に上回る税引前ベースで資産価値を高めることができるのである。日本にも、わざわざ余分な税金を支払ってまでインカムゲインを追い求める投資家が多い現実に、いつも驚かされます。そのような投資行動には合理性を見出すことができません。
実際、長期投資家は課税繰り延べのおかげで税率が下がるのと同じ効果が得られる。
(中略)
課税の観点からは、投資家がインカムゲインよりもキャピタルゲインを好むのは当然に思える。しかし現実には、多くの投資家が株式の売却益よりも、定期的に配当収入を得ることを好む。こういった投資家は投資元本を残し、投資元本から得られるインカムゲインを消費に充てたいと考えているのだ。しかし現在の税制では、投資元本を残し配当収入を選ぶ投資家は、より高い税金を支払うことになる。
長期の株式投資にとって、外国株投資に際しての為替リスクのヘッジは重要なことではない。
(中略)
長期的に見ると、為替レートは主にその国の物価変動によって決まる。株式は、物価変動で投資家が被るロスを埋め合わせることができる実物資産の最たるものである。実物資産を購入することにより、投資家は自動的にその国の通貨下落をヘッジしているため、長期投資で為替リスクのヘッジをすることは自滅行為となる場合がある。
(次回へ続く)
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