皮肉にも出版直後に著者の安田誠氏が殺害されたことで、ちょっとした人気本になっているようです。そういう不純な(?)人気を差し引いても、外こもり生活のハウツー本としてなかなか優れた内容の良書だと思いました。
「外こもりってなに?」という人はいきなり本書を読むのではなく、『日本を降りる若者たち』 あたりを読んでみて、外こもりに共感できるところがあるかどうか確認してからでも遅くないでしょう。
本書でも、外こもり都市の評価で堂々第1位のバンコクの話が中心です。10年近くバンコク暮らしを続けている著者が語るノウハウには説得力があり、次のように旅人にとっても普通に役立ちそうなものもありました。
タクシーに乗るときには、必ず流しのタクシーを止めるようにしましょう。停車して客待ちをしているタクシーには、経験上悪質な運転手が多いです。
また、トゥクトゥクという三輪タクシーは運転が荒く、メーターがないため、外国人と見れば必ずふっかけてきます。
安田氏の生活費は、平均的な外こもりと同じ月7万円だそうですが、微妙な金額だと感じました。確かに高くはないのですが、そんなに安くもないなという印象です。
日本での平均的な生活費が月10万円とすると、差額の3万円を浮かせたいという動機だけでは、外こもりへの敷居を乗り越えるのには十分でない気がします。それ以外の、人それぞれの精神的なメリットの存在が、人を外こもりへと駆り立てるのだろうと思います。
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