2008年12月31日

『サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践』

期待通り(?)ツッコミどころ満載の本でした。アマゾン・アソシエイトのリンクを貼るのは良心が痛むので貼りません。信じられないことにアマゾンのレビューでは絶賛の嵐なので、それを信じて買ってしまう人が出てきたら大変です。部分的には正しいことを言っているため、もっともらしく見えてしまうのでしょうか。

ひとつひとつツッコミを入れていたら、何日分の記事になるかわからないほどです。ネタに困ったら思い出したように書くかもしれませんが、とりあえずは全体的な印象を述べるにとどめます。

一言で言えば、「そんな簡単に未来が予測できるなら誰も苦労しませんよ」系の本です。長期ホールドを否定して景気動向を予測したタイミング売買を推奨しています。あろうことか景気後退期には株式をすべて現金化しなければならないそうです。税コストは無視ですかというツッコミは置いといて、もうこの時点で著者が宇宙人に見えてきます。

その根底には、他にも無数の投資家が景気動向を予測して市場を出し抜こうと必死なのに、その中で自分だけは彼らとの競争に勝ち続けて超過リターンを得られると信じて疑わない、「自信過剰バイアス」の見本のような妄想が横たわっていると思われます。

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