株式、投資信託、デリバティブ商品、保険、債券、外貨建て商品、REIT、預金など、様々な金融商品の解説を読みながら、金融リテラシーが身につく本です。
もしかすると、本書で言っているのは、「世の中にウマい話がないのは、実社会も投資の世界も同じ」ということだけかもしれません。まさにそのような知的武装を固めるのにぴったりの内容でした。
(中略)
本書を読むことで「ウマい話」を見抜く、そんな知的武装をしてもらえばと思っています。
ひとつ強調しておきたいのが、最近妙に誤解されることが多い分散投資の意義について、本書では明確に肯定し、「常に望ましい」と言い切っている点です。
この図表の下には、次のような解説があります。
相関係数がプラス1でない限り、期待リターンは投資対象の加重平均になる一方、リスクは加重平均よりも小さくなります。儲けが変わらずに、リスクだけが減るということは極めて望ましく、数学的にも分散投資の効果が実証できるのです。仮に相関係数が+1だった場合でも、リターン/リスク比が悪化することはないわけです。まるで引き分けと勝ちしかないゲームのようですね。
こんな「ウマい話」には裁定が働き、分散投資の効果もいずれは消えてなくなるのでしょうか? それもひとつの考え方かもしれませんが、仮にそうなったとしても、分散投資と集中投資という区別が無意味になるだけであって、分散投資よりも集中投資のほうが望ましい、ということは永久にないと思います。
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