2008年10月8日

『科学する麻雀』



膨大な実戦データに基づく統計学的手法によって、麻雀というゲームにおける科学的に正しいセオリーを解説する画期的な本です。

たとえば次のようなセオリーは、今まで常識と考えられてきたのに、科学的根拠のない誤りだそうです。
・リーチ宣言牌の周辺は危険
・裏スジは危険
・勢いがあるときはリーチが和了しやすい
・早いリーチは待ちが悪い

では科学的に正しいセオリーとはどんなものか? 
これについては後述するとして、別の意味で印象に残った記述を引用しておきます。
世の中には、「それは偶然である」という説明以上に正しい説明ができないものがいくらでも存在する。筆者が聞きたかったのは「それは偶然だ」「それは現段階ではわからない」という正直で正確な説明だった。
科学的、論理的に物事を捉えるというのは、まさにこういうことなのだと思います。
不調をいかに乗り越えるか
 麻雀を長く(数千試合)プレイしていると、本当に「ここまでついてないことが連続するものか・・・・・・」と実感することがある。

(中略)

 では不調をどう乗り越えるか。結論は、「冷静に、いつも通りの打ち方で、もくもくと試合をこなす」━━━これが、最善の合理的方法である。
「いつも通り打っていて勝てないのだから、いつもと違った打ち方を」と考えるのは浅はかで、「不調」どころか実力が低下する。そこで打ち方を変えることが正解であるなら、そもそも最初からその打ち方にしておけばよかったのだ。打ち方を変えてみたところで、「不調」からたまたま抜けるかどうかは完全に確率論上の偶然であり、まったく意味はない。(略)
不調を理由に打ち方を変更するのは完全に誤りである。
株式投資の世界でも、今こそ本当に「ここまでついてないことが・・・」と言いたくなるような「不調」な時期だと思いますが、それを理由に市場ポートフォリオの長期保有という「打ち方」を変更するのは合理的でないことと、まったく同じ考え方だと思いました。


(科学的に正しい麻雀のセオリー>
和了しやすさの違いにより、聴牌の形を次のように分類します。
良形聴牌: リャンメン以上、ノベタン、字牌シャンポン、字牌単騎
悪形聴牌: カンチャン、ペンチャン、字牌以外のシャンポン、単騎など

・良形聴牌の場合、稀な例外を除き、すべて即リーチ(手変わりを待つな)。
・悪形聴牌の場合、2ハン以下ならリーチ、それ以外はダマ。
・ドラによって得点が倍以上になるケースでは、ドラ待ちは正しい。
・他家のテンパイで自分もテンパイしたとき、和了しにくい安全策よりも和了しやすい危険策をとるべし。
・「絞り」は無用。
・他家テンパイ時に自分イーシャンテンのケースは大半が不利なので、基本的には攻めるべきではない。
・「攻めるなら最大限に攻め、守るなら最大限に守る」ように打つこと。
・当たり牌は読まない。牌の危険度表に基づいて淡々と切るべし。

読んでたら久しぶりに東風荘で打ちたくなりました。

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