2008年10月11日

『「残業ゼロ」の人生力』



自分の価値観とのシンクロ率が非常に高い内容でした。
仕事期に稼ぐ目標額を試算せよ
(略)
 それで、首尾よく60歳より前に目標額に達したなら、もう働くことはありません。絶対、早期退職をおすすめします。
 一年早く退職したら、一年分本生の日々が増えるのです。しかも、健康のうちに楽しめる。この一年は、あとでお金を出しても絶対に買えないのですから、当たり前のことですよ。
「健康」「幸福」「富」を準備する
(略)
つまり、日本人にとって人生は仕事のためにある━━━「life for work」なのです。
 だから、会社は精神修養の場だとか、仕事を通して自己実現するだとか、そういうおかしないい方が、平気でまかり通ってしまうのでしょう。
 しかし、これはどう考えてもおかしいと思いませんか。そもそも仕事というのは生活を支え、成り立たせるためにするものです。もっと極端ないい方をするなら、人はお金を稼ぐために働くのであって、仕事の意味はそれ以上でも以下でもありません。
 だから、正解は「life for work(働くために生きる)」ではなく「work for life(生きるために働く)」。
以上の考え方には100%同意します。
逆にこういう価値観を他人事のように感じるなら、ワーカホリックの疑いがあると思います。この本は、そういう人にこそ読んでもらいたい良書です。

少し残念なのは、著者は既に60歳で定年を迎えて、
これから先が、まさに私の人生の本番、つまり「本生」なのです。もう二度と仕事というバトルゲームに戻りたいとは思いません。
という意志を表明する一方で、実際には
突然、一切合財の仕事を辞めてしまうと、荷降ろし現象で死んでしまうかもしれないので、とりあえず個人事務所をつくって少しずつ仕事を減らしていく
という「ソフトランディング作戦」を実践している途中であり、まだ完全リタイアの経験がないことです。リタイア後の人生こそが「本生」であると主張しても、著者自身の経験に基づくものではないと知れば、説得力は半減してしまいます。

2 件のコメント:

  1. スパっと辞めないのはいろいろ雑用が残ってるからですね。
    人間関係を一瞬で切るって難しいですからね。

    返信削除
  2. リリさん、コメントありがとうございます♪
    なるほど、そういう事情もありますか。この方は元社長さんという要職だったことも関係ありそうです。

    返信削除